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『INDUST』2020年10月号 No.396

廃プラ国内処理の拡大

 中央環境審議会プラスチック資源循環小委員会と産業構造審議会プラスチック資源循環戦略ワーキンググループの合同会合では、今後のプラスチック資源循環施策の基本的方向性の取りまとめに向けた議論が行われ、迅速な制度設計や具体策の実施が今後の鍵となった。こうした状況を受け10月号では廃プラスチック処理における熱回収に関する動向や、熱回収を行う廃棄物発電施設について解説するとともに、エネルギー回収を踏まえた廃プラ処理焼却技術を紹介。また、飲料メーカー主体で進められているペットボトルtoペットボトルへの取り組みや、再び動き出している廃プラ油化ビジネスの現状についても触れる。

特集

  • 廃プラスチック処理と廃棄物の熱回収をめぐる動向
    環境省環境再生・資源循環局廃棄物規制課

     近年、中国や東南アジア諸国における廃プラスチックの輸入禁止措置により、我が国から輸出する廃プラスチックの量が減少し、国内で処理を行うことが求められている。また、海への廃プラスチックの流出による海洋生態系への影響等に対する国際的な対策も進んでいる。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大により、廃プラスチックの排出状況にも変化がみられている。このように、廃プラスチックをめぐる情勢は大きく変化している。
     他方、廃プラスチックを含む可燃性の産業廃棄物を処理する焼却施設において、発生する余熱を回収し、有効活用することは、温室効果ガスの排出削減の観点から有効である。
     こうした背景を踏まえ、本稿では、廃プラスチックをめぐる最近の動きとそれに対する環境省の取組等を紹介するとともに、産業廃棄物からの熱回収の現状と促進のための方策について概説する。


  • 廃プラスチック問題解決策としての廃棄物発電施設
    岡山大学名誉教授
    田中 勝

     世界で年間4 億tのプラスチックが生産され、約3億tが廃プラスチックとして排出され、マイクロプラスチックによる海洋汚染が心配されている。汚れた廃プラスチックは、物質回収よりも熱回収の方が環境面・経済面で優れている。廃プラスチックの燃焼熱で発電すると、その分だけ化石資源の節約になり、海洋汚染リスクを回避でき、地球環境にやさしい。これからの廃棄物発電施設には、廃プラスチック比率が高くても問題なく処理でき、高効率で発電できることが求められる。


  • 医療廃棄物から廃プラまで
    ── 竪型ストーカ式焼却炉(バーチカル炉)によるエネルギー回収
    株式会社プランテック 広報部長
    西村 浩一

     当社は1994 年、それまでの焼却炉の常識を破る竪型ストーカ式焼却炉(バーチカル炉)を開発した。補助燃料に頼らない自燃による完全焼却が可能で、開発困難とされた医療廃棄物専焼炉として実用化に成功した後、産業廃棄物や一般廃棄物の完全焼却にも対応し、さらに医療廃棄物から廃プラスチックまで多種多様な廃棄物からエネルギー回収ができる焼却炉へと進化させてきた。そもそもわが国では廃棄物の焼却が防疫目的で普及したこと、さらにエネルギー回収が温暖化防止に寄与することを考え合わせると、当社の焼却炉はwithコロナ時代と、環境保全に則した機能を有するといえる。どちらも地球規模の課題でありながら、ともに小さな取り組みの集積でしか解決しない問題であり、当社の焼却炉もささやかながら、寄与できると信じている。竪型ストーカ式焼却炉(バーチカル炉)のこれまでの成果と今後の可能性を報告する。


  • 安定発電と安定稼動が可能な乾溜ガス化燃焼プラント
    株式会社キンセイ産業 営業本部 営業本部長
    金井 隆

     株式会社キンセイ産業独自の技術である乾溜ガス化燃焼プラントは、ガス化室と燃焼室を完全に分離し、ガス化室からのガス発生量を自動制御できることが最大の特徴である。廃プラスチックを含めたさまざまな産業廃棄物および一般廃棄物を安定燃焼させ、かつ安定した発電と安定した稼働が可能なことについて説明する。


  • 廃プラの脱焼却への提言
    プラスチックを開発した研究者たちの気持ちを大切にして
    プラスチック再生エネルギー株式会社 代表取締役
    井尻 正彦

     当社は廃プラを燃料へ再生することを願い、20 数年研究開発に努めてきた。事業に着手したのは友人知人と立ち上げた前身の会社からで、同社で油化プラントを自己資金で茨城県坂東市に建設し4年間の実証運転を終え、その成果を現在の当社、プラスチック再生エネルギーが引き受けた形だ。プラントは現在、海外の事業に引き取られている。当社に引き継いだ際にプラントを新鋭設備として改善、改造し、処理規模も拡大。さらに、生成油の品質の安定化を図り、望ましい利用方法を含めて一体となって進め、サプライチェーンに参画する企業全体の収益に注目した事業構想を確立している。国内で発生し焼却や埋め立て処理をせざるを得ないとされてきたプラスチック。家庭から排出されるプラスチックを含めて国内で排出される一切のプラスチックを「燃やさない」ために、各方面からご協力を願っている。


  • プラスチック再資源化を図る
    サントリーグループ
    ─ 共同出資で新会社立ち上げ─
    編集部

     飲料メーカーがペットボトルの再資源化事業に本格的に動き出している。サントリーグループは2019 年5月に「プラスチック基本方針」を策定し、30 年までにグローバルで使用するすべてのペットボトルにリサイクル素材か、植物由来素材のみを使用し、化石由来原料の新規使用をゼロにすることとしている。同社は12 年からすでに米国バイオ化学ベンチャー企業・アネロテック社と植物由来原料100%使用ペットボトルの共同開発に取り組んでいるが、その取り組みの中で使用済みプラスチックの再資源化技術の開発の糸口を見つけており、同社はペットボトル以外のその他プラスチックのリサイクルについても道が開けるとしている。
     同社が取り組んでいる使用済みプラスチックの再資源化技術は、ペットボトルを含むその他の一般プラスチックをベンゼン、トルエン、キシレン、エチレン、プロプレンなどの直接原料に戻すケミカルリサイクル技術だ。油化工程を経由するケミカルリサイクルよりも少ない工程で処理できCO2 排出量やエネルギー必要量の抑制につながるものと期待されており、技術が確立されれば、より多くの使用済みプラスチックを効率的に再利用できると考えられている。
     サントリーグループのサントリーMONOZUKURIエキスパートは、東洋紡、レンゴー、東洋製罐グループホールディングス、J&T環境、アサヒグループホールディングス、岩谷産業、大日本印刷、凸版印刷、フジシール、北海製罐、吉野工業所のプラスチックのバリューチェーンを構成する12 社とともに、使用済みプラスチックの再資源化事業に取り組む共同出資の新会社、アールプラスジャパン(東京都港区)を設立し6月から事業をスタートし、プラスチックの再資源化技術の開発を進め、27 年の実用化を目指す。以下にサントリーグループのプラスチックの再資源化への取り組みについて記す。


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