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いんだすと いんだすと2015年7月号 No.333

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平時の備えから大規模な災害まで切れ目のない災害廃棄物対策を
環境省廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課 課長和田 篤也
 環境省における災害廃棄物対策の検討は、2013年10月に「巨大地震発生時における災害廃棄物対策検討委員会」を立ち上げて以降、大きく進展してきた。2015年2月には、同委員会において、平時の備えから大規模な災害まで切れ目のない災害廃棄物対策が行われるよう、その基本的な考え方と制度スキーム上の課題が「巨大災害発生時の災害廃棄物処理に係る対策スキーム」として取りまとめられ、同年3月24日には、これに基づき関連制度を整備するための法案が国会に提出されるに至った。今後は、これらの考え方や制度整備を基盤として、現場での取り組みを実際に進めていくことが求められている。
中部ブロックにおける大規模災害時廃棄物対策の検討状況
環境省中部地方環境事務所廃棄物・リサイクル対策課 課長小岩 真之
 中部地方環境事務所では、東日本大震災以降、同震災の広域処理に関する調整、主に東海地方の自治体等で構成される「大規模災害時の廃棄物処理に関する連絡会」の開催、連絡会を母体に北陸地方も加えた「大規模災害時廃棄物対策中部ブロック協議会」の開催等を行ってきた。本稿では、これらの中部ブロックにおける大規模災害時廃棄物対策の検討状況について紹介する。
南海トラフ巨大地震の発生に伴う災害廃棄物処理対策の検討状況
高知県林業振興・環境部 環境対策課 課長 川上 博正
 高知県では、今後30年以内に70%の確率で発生するといわれている南海トラフを震源とする巨大地震対策を県政の基本政策の一つと位置付け、全庁を挙げてその対策に取り組んでいる。高知県災害廃棄物処理計画は、南海トラフ地震対策の取り組みの一つとして2011年から検討してきたものである。計画は、災害廃棄物処理対策の第一歩として歩みはじめたばかりであり、今後は、より実効力のある計画とするため、さらに検討を加えていかなければならないと考えている。本稿では、計画の概要と現段階における取り組み状況を中心に記述しているものである。
紀宝町における災害廃棄物処理計画の策定
紀宝町長 西田 健
 2011年9月初旬、台風12号による記録的な豪雨により、紀宝町をはじめとする近隣市町村は過去に例をみない甚大な被害(紀伊半島大水害)が発生した。本町では、2009年3月に「紀宝町災害廃棄物処理対策マニュアル」を策定しており、初期の段階から災害廃棄物の分別を行ったことで、処理効率化に繋がったが、事業者や住民から次々と持ち込まれる廃棄物の仮置場の確保などの課題が残った。現在、紀伊半島大水害の経験や東日本大震災の知見を踏まえ、「紀宝町災害廃棄物処理計画」への改訂作業を進めており、その状況を報告する。
産業廃棄物処理業界における災害廃棄物の処理支援事例
公益社団法人全国産業資源循環連合会
 産業廃棄物処理業者は、日常業務を通じて産業廃棄物の処理・処分に必要な「知識」、「資機材」、「技術」、「経験」、「ネットワーク」等を有していることから、災害廃棄物を適正かつ迅速に処理するために果たせる役割は非常に大きい。そこで、公益社団法人全国産業資源循環連合会(以下、「連合会」という。)では、被災市町村から災害廃棄物の処理について協力・支援を求められた場合の具体的な対応について、2001年度から調査・検討を行ってきた。その結果として「災害廃棄物処理体制構築マニュアル(以下、「マニュアル」という。)」を2004年9月に取りまとめ、各都道府県産業廃棄物協会(以下、「協会」という。)を中心とした災害廃棄物処理支援体制の構築に着手した。また、2004年度には各地で災害が相次いで発生したこともあり、その際の対応状況を踏まえてマニュアルを見直し、2008年度に「災害廃棄物処理支援の手引き(以下、「手引き」という。)」として修正した。当業界では、これらのマニュアルや手引きを参考として災害廃棄物処理支援体制の構築に努めてきている。本稿では、当業界における災害廃棄物の処理支援体制の構築状況および処理支援実績について紹介する。
東日本大震災で発生した災害廃棄物等の処理業務-日建連会員企業による災害廃棄物処理業務概要-
一般社団法人 日本建設業連合会 復旧・復興対策特別委員会
災害廃棄物部会 部会長 久保 周太郎
 東日本大震災では主に津波の被害により、岩手県、宮城県、福島県の三県で合計2,800万tにも及ぶ災害廃棄物等が発生した。通常であれば優に10年を超える処理期間が必要な膨大な量であったが、災害廃棄物の処理は復旧から復興に向けた第一歩であり、早期の処理が不可欠であった。災害廃棄物の処理業務は発生量の膨大さ、物性の複雑さ等ゆえに、多くの課題を有していたが、建設業界等が使命感を持って取り組み、岩手県・宮城県では国が目標とした2014年3月末に処理を完了するとともに、徹底した再資源化により90%近いリサイクル率を達成した。処理後の再生材は、現在復興に向けた公共事業等で盛土材や埋立材等の復興資材として活用されている。