昨年11月18日、全国産業資源循連合会に女性部協議会が発足した。一方、INDUSTでは資源循環業界で活躍する女性に話を聞く「サンパイ女子」の企画に、これまで100人を超える方々にご登場いただいているが、インタビューの中で、女性ならではの発想や気遣いなどによって日常の業務を支えていることが分かった。2月号では、「資源循環業で躍動する女性たち」と題し、新たに発足した女性部協議会会長に今後の展望をご寄稿いただいたほか、女性の視点で業務に取り組む事例を紹介。また、これまでサンパイ女子にご登場いただいた方々を中心に、仕事や業界に対する思いなどをアンケート形式でご回答いただいた内容を掲載する。
特集
2022年(令和4年)11月18日、念願の全国産業資源循環連合会女性部協議会が正式に発足した。コロナ禍のため、リモートでの設立総会であった。まず始めに、ここに至るまでの歴史を少し遡ってみたいと思う。
これは男性の仕事、これは女性の仕事と区別することができなくなっている時代だからこそ、逆に「男だからできない」、「女だからできない」と言うのはフェアではない。でも、それぞれに得手不得手はあるのは事実。ならば、それぞれの特性を業務に生かすことはできないだろうか。そこで思い当たるのが女性の気づきが、廃棄物処理業界の事故防止に有効に生かせること。力仕事は不得手でも、力仕事をする男性に危険を知らせることはできるのである。本稿では、五十嵐商会の成り立ちを示しながら、その思いを継承して、会社を切り盛りする女性の私が感じる女性の特徴を解説し、廃棄物処理業界の安全衛生について考えてみる。
SDGs(持続可能な開発目標)の認知度が上昇し、経済活動において資源循環業界は、大きく期待される存在となっている。未曽有のパンデミックで、人々の価値基準が変わる中、情報社会においていかに「価値」を伝えていくか。「つながりの経済」という考え方をベースに、ブランディング(ユーザーに他社とは異なるサービスであること認識させること)が社内外に与える影響について、認証制度活用を一例として、中小企業ならではの「魅力づくり」を伝えていく取り組みをご紹介する。
当社は1950年の創業以来、廃棄物の完全リサイクルを目標とし、特にリサイクルが困難とされていた油性廃棄物を再生重油・再生固形燃料( BWF)・エマルジョン燃料・コンクリート離型剤に生まれ変わらせてきた。従業員は110名、その中で女性は18名活躍している。昨今の脱炭素化やSDGsに直結したこの資源循環業界において、今こそ自社のみならず、業界全体のイメージアップを図るさまざまな情報を発信すべき時と、1年前に代表直属の広報室が新設された。
「いんだすと」の名物企画「サンパイ女子」はこれまで96回掲載し、資源循環業界で活躍する100人超の女性に登場していただいた。彼女たちの担当業務の多くは、「受付」や「分析」だったが、回を追うごとに営業や重機を操る現場の人も増え、資源循環業者は、性別を問わずさまざまな業務で女性の活躍に期待していることが分かった。ここでは、同コーナーに登場してもらった人たちや、資源循環業界で活躍する人たちにアンケートへの協力を依頼し、日々の業務で感じていることなどついて回答してもらった。