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いんだすと いんだすと2017年11月号 No.361

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産廃処理業の振興方策策定経緯と社会経済動向の変化、その概要および今後の展開
慶應義塾大学経済学部 教授 細田 衛士
環境省 環境再生・資源循環局 廃棄物規制課
 本稿では、資源循環型社会構築に向けた「社会インフラ」としての実務を担う産業廃棄物処理業が、社会経済 動向の変化を踏まえつつ、地域と共生しながら持続的な発展を図るための方向性や、国や地方公共団体、排出事 業者等との連携によりその実現を促すための振興方策の策定経緯、更には今後の展開等に係る整理を行った。「悪 貨が良貨を駆逐する」業界へ後戻りを避けるため、「成長」と「底上げ」に資する取り組みの促進が求められている。
資源循環を促進するための産業廃棄物処理産業の振興に関する法律案(仮称)大綱について
公益社団法人全国産業廃棄物連合会事務局
 当連合会は、2014年8月より、法制度対策委員会(委員長=永井良一・連合会副会長)のもとに設置した「産業廃棄物処理業の業法を含めた振興策の検討に関するタスクフォース」(座長=加藤三郎・環境文明21 共同代表)を中心に、本業界の振興方策の具体化に向けて検討を行った。その3 年間にわたる検討の成果として、今般、「資源循環を促進するための産業廃棄物処理産業の振興に関する法律案(仮称)大綱」を取りまとめた。このような法案を世の中に提案したいと当連合会が考えた動機については、別掲の「資源循環を促進するための産業廃棄物処理産業の振興に関する法律案(仮称)?提案理由説明?」をご覧いただきたいが、廃棄物処理法の制定50 年を迎える2020 年を大きな節目として、その後の半世紀における本業界の方向性を強く意識したものである。以下、タスクフォースの活動経過の概要を報告するとともに、同振興法案大綱を紹介する。
産廃処理事業者の振興と自助努力
--激動しゆく資源・エネルギー産業にあって
青山 俊介株式会社環境構想研究所代表(株式会社エックス都市研究所相談役)
 産業廃棄物処理業の振興は、一般廃棄物・産業廃棄物の業法面、市町村処理事業への民業参入、そして、都道府県の許認可行政面での規制を除けば、行政側の振興方策は、ほぼ実現している。これからの振興は上記に関連する規制緩和以外は、民業側の「自助努力」に掛かっていると言える。本稿では、その自助努力と、その先に垣間見える2020 年代の産業廃棄物処理業の業容についての私見を述べる。
排出事業者など?外?からの目線と振興
--適正処理担保の具体的措置にもなお提案の余地
北島 隆次TMI 総合法律事務所 弁護士
 処理業者に最も期待するのは、価格ばかりではなく、「適正処理(不適正処理、不法投棄をしないこと)」であるという排出事業者は多いところ、処理業者は排出事業者の期待に十分応えられておらず、排出事業者への提案も十分とはいえない。海外では売上高1兆円を超えるグローバル展開する処理業者が誕生しており、労働力不足を背景にIT投資による効果も大きい。今後の処理業者に求められるのは稼ぐ力を向上させるための戦略であり、経営者の志に期待したい。
東京都における産廃処理業の振興 --「トリプルボトムライン」が描き出す振興像
環境ジャーナリスト 大村 朋己
 今、東京都では産業廃棄物処理業の振興についてどう考えているのか。また、産業廃棄物処理業の振興方策についてどのように考え、何に取り組んでいるのか。さらに今後はどのような取り組みを進めていくのか――。東京都環境局資源循環推進部専門課長の古澤康夫氏に、これら産業廃棄物処理業の振興に関する考え方と方策について話を聞いた。古澤さんは、振興方策について、?再生利用の品質確保の仕組みづくり、?事業を適切・効率的に進めていくための規制緩和、?産業廃棄物処理業者による社会貢献へのサポート――の3つを挙げた。
適正処理、業界振興で「富県宮城」の実現へ
宮城県環境生活部環境政策課 課長補佐 菅原 正義
 宮城県では、環境と経済が両立した真に豊かな「富県宮城」の実現を目指し、県内事業者が進める省エネルギー、新エネルギー、産業廃棄物の3Rの取り組みへの支援を通じて、環境負荷の低減と環境関連産業の育成・振興を図ることとしている。産廃の3Rに関しても、事業者向けの補助事業や環境産業コーディネーターの派遣、セミナーや研究会の開催などの施策を通じて、廃棄物の削減と産廃処理業の振興を積極的に進めている。
資源の循環利用を推し進める産廃処理業振興?先進都市?
静岡県 くらし・環境部 環境局 廃棄物リサイクル課 腰山 武
 国内有数の「ものづくり県」である静岡県では、第3次静岡県循環型社会形成計画に基づき、環境と経済が好循環する持続可能な循環型社会の形成に向け取り組んでいる。2014 年度における本県の「産業廃棄物最終処分率」は過去最高の1.7%であり、全国平均の2.6%と比較して非常に高いレベルにある。本計画では、この最終処分率を維持することとし、2020 年度の目標値を1.8%としている。静岡県リサイクル製品認定制度は、この目標値を達成するための重要な手段として位置付けられており、年間5件の認定数増加を目指しているが、2015 年度に、本制度創設から初めて認定数が減少に転じてしまった。認定数の増加を図るためには、「?認定メリット」「?認定制度の知名度向上」が必要であることから、2016 年度から新たな取り組みを実施し、結果として認定数は2016年度に増加に転じるとともに、2016 年度、2017 年度ともに年間5件の増加を達成することができた。
京都府における排出・処理・行政の3者連携を通じた業界振興
一般社団法人京都府産業廃棄物3R支援センターセンター長 山田 一成
 一般社団法人京都府産業廃棄物3R支援センター(以下、「3R支援センター」)は、府内企業等の産業廃棄物の3Rおよび適正処理の推進を目的に2005 年度に施行された「京都府産業廃棄物税条例」による税収を財源として、企業等の3Rの取り組みを支援している。京都府の産業廃棄物税は、府内最終処分場への埋立量1トン当たり千円を徴収するもので、税制度の導入当初年間約9千万円であった税収が2016 年度には約5千万円に減少してきている。ここでは、3R支援センターの設立目的と現在までの取り組み、今後の事業展開について紹介する。
廃棄物処理法と振興法
--事業者に聞く、?期待?と?課題?の組み合わせ
- 編集部
 全国産業廃棄物連合会が設置し、振興法の「法案大綱」に向けた検討を行ったタスクフォース。3年間の検討を終え、今回、その成果を公表した(本誌全国産業廃棄物連合会の記事参照)。タスクフォースに参加した複数の事業者は、それぞれの思いを持ち、振興方策の検討に関与してきたが、新たな振興法へと向かうその立場は、ある意味で背景的に、一貫して現在の廃棄物処理法に向けられていると言っても誤りではないだろう。それは同法に対して、経営者として高度な事業展開を可能とさせたり、関係者連携を促し処理業のイメージを向上させる仕組みを求めたり、事業者目線に立った明快な法制度を求めたりしている。いちじるしくは、先の廃棄物処理法改正で積み残された課題を指摘するなど、つまり当然かもしれないが、振興法の背景には必ず廃棄物処理法が反映されている。それぞれの思いを語る業界リーダーは、廃棄物処理法と、今後を期する振興法の双方をどのような観点・距離感で照らし合わせ、見ているのか。「『規制と振興』は『ブレーキとアクセル』」(業界関係者)とのあり方を見出し、進みだす産廃処理業界だが、それぞれの事業者はその道をどこに向けて描くか。仲田陽介氏(仲田総業)、杉田昭義氏(杉田建材)、藤枝慎治氏(グーン)、二木玲子氏(大谷清運)に聞いた。※順不同
廃棄物の区分とマニフェスト分類にみられる不合理
- --柔軟、効率的な廃棄物処理システムのカタチとは
- 北海道大学 松藤 敏彦
 わが国の廃棄物処理においては、産業廃棄物と一般廃棄物が厳然と区別され、処理業においては業や施設の許可が分類別にあるため「正しく分類する」ことが求められる。しかし産業廃棄物のマニフェスト分類を含めて、大いに「あいまいさ」があり、逆に処理の効率性を損なっている。本稿ではその例を紹介し、合理的な分類と処理のあり方について私論を述べる。