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いんだすと いんだすと2017年5月号 No.355

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廃石膏ボードを含む建設廃棄物の再生と利用拡大に向けた取り組み、その現状
--中央環境審議会意見具申を踏まえて
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部 産業廃棄物課
  廃棄物処理法については、累次の改正により、排出抑制の徹底、排出事業者責任の徹底、廃棄物処理施設の基準強化、不法投棄対策の徹底、再生利用の促進等を図ってきた。2010年改正法の施行から5年が経過し、中央環境審議会循環型社会部会に廃棄物処理制度専門員会が設置、検討が行われた。本年2月には同委員会において報告書をまとめ、中央環境審議会循環型社会部会で審議・了承され、「廃棄物処理制度の見直しの方向性」として環境大臣に意見具申された。環境省では、意見具申を踏まえ、廃棄物処理法の改正案を検討し、3月10日には、同法案について国会に提出する政府の閣議決定がなされたところ。本稿では廃棄物の再生利用に関する意見具申の内容や廃石膏ボードを中心とした建設廃棄物の利用促進に向けた取組等を紹介する。
リサイクルにおける排出、再生、利用
--課題と現状、提言
一般社団法人石膏ボード工業会 専務理事 北坂 昌二
 石膏ボードが防耐火用の建材として幅広く使用されてから久しい。近年は大震災や大規模火災などの災害に伴う規制や施主、建設関係者双方の意識向上、さらには国産木材振興を背景とする大型木造建築への展開などで今後も幅広く使用されていくものと思われる。ただこのような石膏ボードも、今後長期を見通すと切実な課題が控えていると言える。それは、将来の新設住宅着工戸数の減少傾向と、廃石膏ボードの排出拡大予測である。石膏ボードの原料構成、廃石膏ボードの発生状況、廃石膏ボードの石膏ボードへのリサイクルの課題とともに今後の石膏ボードの需要についても触れていきたい。
再生石膏粉の利活用と社会実装
一般社団法人泥土リサイクル協会 コミュニケーションズマネージャー 西川 美穂
 廃石膏ボードから再生された石膏粉は、必ずしも科学的根拠や法令等に基づいて確保されていないため、行政機関やユーザーである建設現場から評価されにくい現状にある。このため、廃石膏ボードリサイクルを促進するには再生利用に関して安全性と信頼性を高めることが重要なことであり、本稿では現状における業界の取り組みを踏まえた石膏ボードリサイクルの社会実装について述べる。
固化材以外へのリサイクルはどこまで可能なのか
--各種リサイクル技術の現状
富山高等専門学校・物質化学工学科・教授 袋布 昌幹
 廃石膏ボードのリサイクルとして近年、軟弱地盤や建設汚泥の固化材としての利活用が進められているが、それ以外のリサイクル用途はあるのだろうか。これまでに進められてきた廃石膏ボードの固化材以外の利活用の事例、近年の著者らの研究を以下で紹介する。本稿を通して、廃石膏ボードの新たな利活用技術の確立のために、石膏の科学に関するさらなる基礎研究を推進する必要性があると考える。
再資源化事業の全国展開とその特定建設資材への指定へ向け
--タケエイ、リサイクルルート確立からの前進
株式会社タケエイ 営業本部関連事業部 星野 宏明
編集部
 廃石膏ボードの再資源化には、建設現場での分別が重要だが、解体系は遅れている。排出量の増加は今後も見込まれるが、建設リサイクル法で定める特定建設資材には指定されておらず、分別解体と搬出時の分別を徹底するための措置としてマニュアルがまとめられた段階に留まっている。一方、リサイクルに向けた環境は整ってきており、当社でも各主要都市に専門の再資源化工場を稼働させた。今後、特定建設資材に指定されることで分別が進み、廃石膏ボードを含めた建設廃棄物の再資源化に拍車がかかることが期待される。
完全リサイクル事業の深化
--世界初の「100%ボードtoボード」へ
株式会社トクヤマ・チヨダジプサム 代表取締役社長 世良田 浩二
 株式会社トクヤマ・チヨダジプサム(トクヤマとチヨダウーテの共同出資会社)は、廃石膏ボードを回収し、100%石膏ボードにリサイクルできる大型結晶の石膏原料へ再生処理する世界初の廃石膏ボード再生プラントを三重県四日市と千葉県袖ケ浦の2工場で稼働中である。本稿では、2工場における取り組みの概要を説明する。
GA中部におけるリサイクルの取り組み
--セメント製造工程での再生石膏粉の利用拡大傾向に期待
株式会社グリーンアローズ中部 常務取締役 松竹 冬樹
 廃石膏ボードをリサイクルする上で重要なことは、現場での分別と中間処理した後の石膏粉、紙の受け入れ先の拡充である。近年、各セメント会社が廃石膏ボード由来の石膏粉を積極的に使用する流れが出てきており中間処理会社にとっては頼れる存在になってきている。国、行政および関係機関等には特定建設資材への認定や品質に対する統一基準の作成をお願いしたい。