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いんだすと いんだすと2017年4月号 No.354

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廃棄物処理法の改正--「少ない」、「短い」検討がもたらし得るもの
行政書士エース環境法務事務所 行政書士 尾上 雅典
 2016年に設置された「廃棄物処理制度専門委員会」では、前回(2008年設置)よりも少ない審議回数であるにもかかわらず、「関係者からの意見ヒアリング」には前回よりも多くの時間が割かれ、昨年の年初に発覚した「食品廃棄物の不正転売事件」の再発防止を企図した論点整理が行われたという特徴がある。そのような特徴を踏まえつつ、廃棄物処理制度専門委員会報告書で挙げられた論点の実効性や実務への影響を評価した。
時代に即した廃棄物処理制度の構築を求める
一般社団法人 日本経済団体連合会 環境安全委員会 廃棄物・リサイクル部会長 山田 政雄
 今回の廃棄物処理制度専門委員会では、将来的な課題を含め、幅広い論点が議論された。その結果、報告書には、昨年6月の経団連意見陳述を踏まえて検討が進められた項目のほか、電子マニフェストの使用の一部義務化や危険・有害物質に関する情報提供の義務化など、経済界への影響が大きい事項が多数盛り込まれた。また、意見陳述を受けて報告書に盛り込まれた「情報の電子化の推進」については、経団連としても、引き続きその実現に向けて関係方面に働きかけていきたい。
廃棄物処理法「施行後50年」の見直しに向けて--「消化不良」の今回改正を足がかりに
一般社団法人日本建設業連合会 建築副産物部会長 米谷 秀子
 今回の見直しは、食品廃棄物、POPs廃棄物、雑品スクラップという、建設廃棄物からはやや離れたものが主要課題であった。しかし、食品廃棄物は処理の透明性、雑品スクラップは廃棄物該当性判断という、全ての廃棄物に関係する大きな課題につながるものである。今回の検討を契機に、次回改正までにはこれらの大きな課題に時間をかけてじっくり取り組むことを期待したい。
廃棄物処理制度専門委員会報告書の評価と今後の展望--「資源とは、廃棄物とは何か」を考えるときに
東京都環境局 資源循環推進部長 谷上 裕
 専門委員会の報告書がまとめられたが、一定の評価ができると考える。特に、不用品・金属スクラップ回収の不適正処理の防止策については、現場で起きている課題についての対応策が、報告書案では具体的にまとめられたものと評価できる。また、廃棄物の再生利用促進策は、 建設廃棄物等の今後の再資源化推進方策を期待したいところである。廃棄物処理法はこれまで生活環境の保全に大いに貢献してきたが、これからは資源利用の側面が議論されることを期待する。
かつてない全国産業廃棄物連合会--永井法制度対策委員長に聞く、廃棄物処理法「2020大改正」への一里塚
編集部
 昨年2016年、設立30周年の節目を迎え、心機一転の施策を次々と打ち出す全国産業廃棄物連合会。同年発足した廃棄物処理制度専門委員会についても、先んじて精細な要望書を取りまとめ、国に提言を行うとともに、事務局を挙げて専門委員会の会合に臨むなど、従来見慣れない動きが目立った。自然に、「連合会は変わったのか...?」と、その内外を問わず、関係者の注目を集めており、某排出事業者団体関係者は「非常によくやっている」と表した他、某県産廃協会の専務理事も「行政の対応が目に見えて変わっている」と報告する。仮に、連合会の変貌が組織化30年にわたる成熟の結果であるとするなら、かつてない改正議論の内幕には何があったのか。「今回の経験と自信を、次回改正へ」と話す連合会副会長・法制度対策委員長の永井良一氏に話を聞いた。
改正議論を振り返って--逐条解説、連合会要望事項への対応状況
一般社団法人三重県産業廃棄物協会 専務理事 筒井 照雄
 2011年改正施行から5年が経過し、開始された本年度の見直しに伴い、全国産業廃棄物連合会は理事会の指示のもと、法制度対策委員会で「廃棄物処理法等の見直しに関する意見」をまとめ、2016年3月31日付けで環境省に提出した。また、中央環境審議会循環型社会部会廃棄物処理制度専門委員会に法制度対策委員長・永井良一副会長(一般社団法人愛知県産業廃棄物協会会長)を委員として派遣し、連合会要望の実現に向け国の検討に参画してきた。以下では、複数回、連合会関係者として専門委を傍聴した筆者の知見に基づき、専門委報告書と議論の状況を整理し、掲載の上、感想を述べる。また、本稿末尾では連合会要望と報告書の掲載内容を対照し、関連する対応状況を示す。
「廃棄物処理制度専門委員会報告書」にみる産業廃棄物規制の近未来図
上智大学法科大学院 教授 北村 喜宣
 2017年改正を運命付けられた廃棄物処理法。広く関係者の意見を聴取して何とか一本の改正法ができるようである。その内容は、各業界が問題視する当面の課題への対応が中心になっている。公衆衛生法という出自を超えるパラダイムの転換は、なお今後の課題である。改正法作成の枠組みを提供する専門委員会報告書を踏まえ、改正法の内容を論評する。